八谷磨流の趣味小説!

AJUの趣味小説!

空想科学とかのネット小説をぼちぼち書いてる

猿和園(3)白き地の果てより 4話

贋ノ神(はしらびと)と旧世界の箱庭 友人に勧められて探偵事務所を立ち上げることにしました。 あの頼もしい後輩二人も誘ってみよう。 水無月 透 「VM・クレバス地帯」 つかの間の休息を終え、僕らが立ち上がった。その時だった。 まるで地の底から響いてく…

猿和園(3)白き地の果てより 3話

歴史から切り取られた世界 今は過去を整理することにします。 僕の使命は時を刻み残すこと。 水無月透 「黒い壁」 翌日。訓練が始まった。 僕たちは装備を整え、基地の本部棟に集まった。 「みんな!紹介する。僕たちの隊を率いてくれるウタロっち。」 「伊…

猿和園(3)白き地の果てより 2話

この星の果てにて あの緑若き山と燃えるような星空に捧げる これは記録です。全てを自分の口から語るのは、当分つらくてできないだろうから、ここに全てを記録しておきます。日記をつなぎ合わせたものだから、読みにくかったらごめんなさい。 水無月透 「こ…

猿和園(3)白き地の果てより 1話

六月の探検隊 11月3日。今日は事務所に全員が揃う日となった。リビングの扉が開かれ、水無月が入ってきた。 「お疲れ様です。水無月先輩。鞄を。」 すかさず崎元が荷物を受け取った。 「ありがとう怜也。昨日は猿和園に行ってくれてありがとう。うん。引き続…

猿和園(2)夢の港町 後編

「出航(エクスポート)」 白い光が収まり、あたりにはまたあの港町(・・)が広がっていた。 といっても海はなく、人もいないが。 「さて、と。」 火野宮はまず手始めに、両手を前に突き出し例の画面を表示した。 そこには五つの項目がそれぞれお知らせ、連…

猿和園(2)夢の港町 中編

「夢の港町(ドリームポート)」 二人は異質すぎるこの状況を飲み込むことができず、次の行動を思いつけないでいた。風も匂いもない無機質な空間。そこに並ぶあまりに現実めいた風景。そして目の前に浮かぶ文字。これが普段の探索なら、きっと二人は文字に手…

猿和園(2)夢の港町 前編

「入港(インポート)」 まだ朝霧の立ち込める山の草叢の中から長身の青年がゆっくりと立ち上がった。青年はそばの石段に花束を添えた。灯燭に灯した火は、夏の終わりに弟と見たシオツチの火を思い出させた。青年はその思い出から巡り巡って一年と二日前のこ…

猿和園(1)序章 3話 南極星

今日は北極星と南極星が北と南、天蓋の両極に遂に揃う日である。ベガが北極星の位置について千年。遅れてカノープスが南極星に位置するのである。南極星は二万六千年周期で入れ替わるという。人類の発展に貢献してきた星。その配置の変遷は、まだ年が二桁に…

猿和園(1)序章 2話 羽里山の花

五月が始まった。世の中は例年に比べて忙しさを極めているが、季節もそうであることに気づいている人は少なかった。「何でも書いていいの?」 「はい。好きに文字を書いて、本を作ってくださいね。貴女ならきっと上手にできますよ。」 少女は頷いて、黙々と…

猿和園(1)序章 1話 蟠罪

白衣が夕陽の中で肩を落としていた。 「彼は結局言わなかった。『それ』の詳細を。全てを持ち逃げしたのだ。」 「誰に聞いてもそう答えます。かなり際どい研究もしていたと聞きます。ましてあの真面目な室長ですよ。本当は上からの指示とか…。」 「おい。そ…

予定

こんにちは、AJUです。 中学生時代より書き溜めたものを編集して投稿していきます。 ●猿和園 SF(空想科学)の短編集。主人公は特に定めていません。第1部 -意識科学- 崎元と火野宮そしてその取巻きが上土居渉を巡って世界の真相に触れる話。第2部 -人工意識- …

このブログについて

Hallo World(はじめまして)!! ハロウィン生まれの高校生(2018年現在) AJUです。 なんか無性に小説まがいのものたちが書きたくなったので、このブログを立ち上げました。 (というか友人のブログ「諸事情により伏」に便乗?したくなったので) いままで書…